日本の治安は悪くなってるの?

最近のニュースを見ていると、「また事件が起きた」「物騒な世の中になった」と感じることはありませんか?
SNSでも、強盗や殺人といったショッキングな事件が拡散され、「日本の治安はどんどん悪くなってるんじゃないか」と不安になる人も多いと思います。
でも、本当に日本の治安は悪くなっているのでしょうか?
今回は、警察や法務省が出している実際のデータをもとに、「治安の本当の姿」について、できるだけわかりやすくお伝えします。
日本の凶悪犯罪は、実は減っている!
まず、「凶悪犯罪」ってなんでしょう?
これは、殺人・強盗・放火・性的暴行など、命や生活に大きな影響を与えるような重大な犯罪のことを指します。
さて、これらの犯罪がどれくらい起きているのか、警察庁や法務省が毎年データを出しています。
そのデータを見ると、意外なことがわかります。
たとえば、殺人事件は、2000年代のはじめには年間1,400件ほどありましたが、2021年には900件を下回る年もあるほどに減っています。
強盗事件も2003年ごろは年間7,000件以上ありましたが、今では1,000件ちょっとにまで減っています。
放火や性犯罪の件数も、20年前に比べると大きく減っています。
つまり、ニュースではよく見るかもしれないけれど、実際には日本の凶悪犯罪は20年前よりかなり減っているんです。
これは驚きですよね?
でも、どうして「増えてる」と感じてしまうの?
「えっ?でも最近の方が物騒に感じるけど…」
そう思う人も多いでしょう。それにはいくつかの理由があります。
① ネットやニュースで目にする回数が増えた
昔に比べて、インターネットやSNSで事件の情報がすぐに広まるようになりました。
ニュースアプリの通知、Xのトレンド、YouTubeの動画など、私たちは1つの事件を何度も目にする機会があるんです。
それによって、「また事件?」「最近多いな」と感じやすくなるのです。
② インパクトの強い事件ほど報道されやすい
テレビやネットのニュースでは、特にショッキングな事件が取り上げられます。
そのため、たとえ件数は減っていても、「すごく悪質な事件」が目立つことで、全体が悪化しているように錯覚してしまいます。
③ 安全になったからこそ、1件の事件が大きく感じる
これも不思議な話ですが、全体的に事件が減っているからこそ、1つの事件のインパクトが大きくなるという現象があります。
「昔はもっとたくさん事件があったけど、あまり気にしてなかった」ということもありますが、今は事件の数が減ったからこそ、1件の事件が「とても目立つ」ようになっているんですね。
データを見ると、世の中は少しずつ良くなってる
感覚だけで「治安が悪くなった」と判断してしまうと、不安になりすぎたり、必要以上に怖がってしまったりするかもしれません。
でも、実際のデータを冷静に見てみると、日本の治安はむしろ良くなっているのです。
たとえば:
- 凶悪犯罪は全体的に減っている
- 子どもや若者の事故死も大きく減っている
- 学校での暴力行為も、長期的には減少傾向にある
こうした変化は、社会が努力してきた成果でもあります。警察や学校、地域の人たちの取り組みが少しずつ実を結んでいるのかもしれませんね。
だからこそ、正しく恐れよう
もちろん、どれだけ犯罪が減っていても、事件が「ゼロ」になるわけではありません。
被害にあった人にとっては、たった1件でもとてもつらいことですし、防犯対策もこれからも大切です。
でも大事なのは、「数字を見て、事実を正しく知ること」です。
ニュースやSNSに振り回されるのではなく、自分で確かめて、正しく恐れることが大切なんです。
「事件が多いように感じるけど、実は減っているんだ」と知るだけでも、不安は少し減るかもしれません。
まとめ:不安に流されず、事実を見よう
まとめると:
- 凶悪犯罪はこの30年で大きく減っている
- ネットやニュースの影響で「治安が悪化している」と錯覚しやすい
- 安全になったからこそ、1件の事件が大きく感じることもある
- データを見て、冷静に考えることが大事
- 日本の治安は、少しずつ良くなっている
私たちは、毎日たくさんの情報に囲まれています。
だからこそ、「本当はどうなのか?」をデータから知る力が、とても大切です。
「治安が悪くなってるの?」と感じたときこそ、一度立ち止まって、事実に目を向けてみませんか?