「常識」ってなに? 常識にとらわれない自由な発想を大切にしよう

「それって、常識でしょ?」
って言ったり、言われたりすることありますよね。
でも、よく考えてみると「常識」って何でしょう。誰が決めたものなのでしょうか。そして本当に「常識」はいつでも正しいのでしょうか。
今回は、「常識」ってなに?という素朴な疑問から出発して、「常識」にとらわれすぎないことの大切さについて考えてみましょう。
「常識」ってどういう意味?
「常識(じょうしき)」とは、私たちがふだん当たり前だと思っている知識や考え方のことを指します。たとえば、
- 信号が赤のときは止まる
- ごはんを食べるときは「いただきます」と言う
- 電車の中では静かにする
こういったことは、普段あまり意識しなくても「みんなそうしてるからそうする」ようになっていますよね。こういう日常のマナーやルール、考え方のことを「常識」と言います。
つまり、常識とは「多くの人が共有している、当たり前の考えやルール」と言えるでしょう。
「常識」があると何がいいの?
このような「常識」があることで、社会にはたくさんの良い面があります。
①社会がうまくまわる
みんなが「これが普通だよね」と思って行動していれば、社会はスムーズに動きます。たとえば、交通ルールをみんなが守っていれば、事故は減ります。公共の場所で静かにする人が多ければ、誰もが快適に過ごせます。
②コミュニケーションが楽になる
「常識」が共有されていると、言葉を使わなくてもなんとなく通じ合えます。たとえば、お辞儀をするだけで「こんにちは」という意味になったり、「ありがとう」の気持ちが伝わったりすることもありますね。
③仲間意識が生まれる
同じ「常識」を持っていると、「あ、自分と同じ考えの人だ」と感じやすくなります。学校やクラスでも、似たような考えを持っている人とは仲良くなりやすいですよね。
「常識」には問題もある
いいことばかりに見える「常識」ですが、実はデメリットもあります。
①「常識」が間違っていることもある
昔は「地球は平らだ」と考えられていたのが「常識」でした。でも、今ではそれが間違っていたとわかっています。つまり、「常識」は時代や場所によって変わるものなのです。
②差別や偏見の原因になることも
「男の子は泣いちゃダメ」「女の子はおとなしくしなきゃ」
こんな考え方も、かつては「常識」とされていました。でもこれは、性別によって人をしばってしまう考えですよね。こういった「常識」は、偏見や差別のもとになってしまうことがあります。
③新しい発想ができなくなる
「それは非常識だよ」と言われてしまうと、せっかくの新しいアイデアも否定されてしまうかもしれません。「前からこうだったから変える必要はない」と思い込むと、もっとよい方法が見つからなくなってしまいます。
アインシュタインが言った言葉
『相対性理論』を発表した有名な科学者アルベルト・アインシュタインは、こんなことを言ったとされています。
「常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである」
つまり、常識というのは、子どものころから親や先生、テレビや学校で知らないうちに身につけた「思いこみの集まり」だ、というのです。
アインシュタインは、「常識」にとらわれずに物事を考えたからこそ、「相対性理論」というまったく新しい考えを生み出しました。彼の言葉からもわかるように、私たちは「常識」を一度立ち止まって見直してみる必要があるのです。
「常識」にとらわれないためには?
では、どうすれば「常識」にとらわれずに、自分の頭で考えることができるのでしょうか。いくつかのポイントを紹介します。
①「当たり前」を疑ってみる
「どうしてこれは当たり前なんだろう?」と考えてみるクセをつけましょう。たとえば、「学校は朝8時から始まるのが当たり前」だと思っていても、「夜型の人にはもっと遅く始まったほうが集中できるかも」と気づくかもしれません。
②いろんな人の意見を聞いてみる
自分とは違う意見や文化を持つ人と話すと、自分の「常識」が実は「その場のルール」にすぎなかったと気づくことがあります。たとえば海外の人と話してみると、まったく違う考え方をしていて驚くこともあるでしょう。
③自分で考えて、自分で決める
何かに対して「みんながそう言っているから」「前からそうだから」と考えるのではなく、「自分はどう思うか?」を考えてみましょう。たとえ少数派でも、自分の意見を持つことはとても大切です。
おわりに:自由な発想を大切にしよう
「常識」は、社会で生きていくうえでとても便利で、必要なものです。でも、それにとらわれすぎると、自分の考えをしばってしまうことにもなります。
時には「そんなの常識でしょ」と言われても、「本当にそうかな?」と考えてみることが大切です。そして、みんなと違う考えやアイデアを持っていても、それはとても価値あることだということを忘れないでください。
自分の「当たり前」を見直すことで、もっと自由に、もっと面白い世界が広がっていくかもしれませんよ。