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友達とケンカしたとき、どうやって仲直りしたらいい?

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「昨日、親友とケンカしちゃった…」「自分も悪かったけど、謝るのってなんか悔しいな…」
こんなふうに悩んだことはありませんか?

どれだけ仲のいい友達でも、ときには意見がぶつかったり、ちょっとした言葉がきっかけでケンカになってしまうことはあります。でも、そのあとにどう行動するかで、その友情がもっと強くなるか、それとも壊れてしまうかが決まります。

今回は、心理学の研究や実際の事例をもとに、「友達とケンカしたとき、どうやって仲直りすればいいのか?」をわかりやすく解説します。そして最後には、「やっぱり自分から謝ることが一番大切だ」という理由についてもしっかりお伝えします。

ケンカを放っておくとどうなる?

まず知っておいてほしいのは、「時間がたてば自然と仲直りできる」とは限らないということです。たしかに、時間がたてば怒りが少しおさまるかもしれません。でも、「あのときどうして謝ってくれなかったんだろう」とモヤモヤした気持ちが残ったままだと、次第にお互いに距離ができてしまいます。

そして怖いのは、「自分からは連絡したくない」「相手から話しかけてくれるのを待とう」とお互いが思ってしまうこと。そうなると、仲直りのタイミングをどんどん逃してしまいます。

なんでケンカしてしまうの?

ケンカの原因はさまざまですが、心理学では「相手が自分の気持ちをわかってくれなかった」と感じるとき、人は強い怒りを感じやすいと言われています。

たとえば、

  • 自分が大事に思っていることをバカにされた
  • 冗談のつもりだったのに、相手を傷つけてしまった
  • 約束を守ってもらえなかった

など、お互いに悪気はなくても、すれ違いからケンカになることがあります。

そして、そんなときに「相手が悪い! 自分は悪くない!」と思い込んでしまうと、ますます仲直りが難しくなってしまいます。

「ごめんね」が持つすごい力

では、どうすれば関係を元に戻せるのでしょうか?

答えはシンプルです。「自分から謝ること」。

「えっ、でも自分はそこまで悪くないかもしれないし…」と思う人もいるかもしれません。でも、実は心理学の研究では、「謝ること」にはすごい力があることがわかっています。

たとえば、

  • 謝られると、怒りの気持ちがおさまりやすくなる
  • 「この人は関係を大事にしてくれているんだな」と思える
  • 相手を許す気持ちが生まれやすくなる

といった効果があります。

謝ることは、ただ「自分が悪いと認める」ことではありません。むしろ、「この関係を大切にしたいからこそ、素直になる勇気を持った」という、強さのあらわれなのです。

どうやって謝ればいいの?

「謝るのが大事なのはわかったけど、どうやって謝ればいいの?」と思った人のために、ちょっとしたコツを紹介します。

① 自分の言葉で伝える

LINEやメッセージでもいいですが、できれば直接会って、短くてもいいので自分の言葉で伝えることが大切です。たとえば、

「昨日は言いすぎた、ごめんね」
「嫌な思いさせたかもしれない、ごめん」

というように、正直な気持ちをそのまま伝えましょう。

② 言い訳はしない

「でもあのとき君もさ~」とすぐに言い訳をしてしまうと、せっかくの謝罪が台無しになってしまいます。まずは「自分のしたこと」にだけ目を向けて謝るのがコツです。

③ 相手の気持ちを想像する

謝るときに、「嫌な思いをさせたと思う」と、相手の気持ちに寄りそった言葉を入れると、より誠実な気持ちが伝わります。

謝るのは「負け」じゃない

「謝ったら負けた気がする…」と思う人もいるかもしれません。でも、それは間違いです。

むしろ、先に謝った人の方が「相手との関係を大切にできる、大人な人」として尊敬されます。そして謝られた方も、「ごめんねって言ってくれてうれしかった」と感じることが多いのです。

実際、心理学の実験でも、「誠実な謝罪を受けたとき、人は相手を前より信頼できるようになる」という結果が出ています。

仲直りすると、もっと仲良くなれる

最後に大事なことをひとつ。

ケンカをしたあと、ちゃんと謝って仲直りできたとき、人間関係は前よりもっと深くなることがよくあります。お互いに気持ちをぶつけあったあとだからこそ、相手のことをもっと知ることができるし、「これからはこうしよう」という思いやりが生まれるからです。

だから、「ケンカした=終わり」ではありません。むしろ、仲直りできれば、その友情は前よりもっと強くなるのです。

まとめ:勇気を出して、まず自分から謝ろう

友達とケンカしたとき、「自分から謝ること」はとても大切です。それは負けることではなく、相手との関係を大切にするための「強さ」なのです。

言いにくいかもしれません。でも、あなたが先に「ごめんね」と言うことで、相手も心を開いてくれるかもしれません。そして、その一歩が、仲直りへの大きな第一歩になるのです。

ケンカをしても、友情は終わりじゃない。
自分から謝る勇気があれば、きっとまた笑い合える日が来るはずです。

主な参考文献

  1. de Waal, F. (2000). Chimpanzee politics: Power and sex among apes. Johns Hopkins University Press.
  2. Ohtsubo, Y., & Watanabe, E. (2009). Do sincere apologies need to be costly? Social Psychological and Personality Science, 1(2), 123–131.
  3. McCullough, M. E., Worthington, E. L., & Rachal, K. C. (1997). Interpersonal forgiving in close relationships. Journal of Personality and Social Psychology, 73(2), 321–336.
  4. Rusbult, C. E., et al. (2005). Forgiveness, betrayal, and sacrifice in close relationships: An interdependence analysis. Advances in Experimental Social Psychology, 37, 229–276.
  5. Darby, B. W., & Schlenker, B. R. (1982). Children’s reactions to apologies. Journal of Personality and Social Psychology, 43(4), 742–753.
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ずっとピースらぼ|Eternal Peace Lab
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ずっとピースらぼ管理人のわんぞーです。イギリスの大学院で平和学を学び、その後国際協力の専門家や大学の教員として仕事をしてきました。平和と紛争について中学生や高校生にもわかりやすい内容を届けることで、少しでも争いのない世界になればいいな、と思っています。 At Eternal Peace Lab, we aspire to contribute to a world without conflict by providing accessible content about peace for both students and adults.
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