どうしたら幸せになれるの? 幸せホルモンの増やしかた

「もっと毎日を前向きに過ごしたい」「心が元気になる方法を知りたい」
そんなふうに思うことはありませんか?
実は、私たちの心の健康=幸福感には、脳内で働く「幸せホルモン」が深く関係しています。
この記事では、「幸せホルモンってなに?」「どうすれば増やせるの?」という疑問に対して、誰でも今日から実践できる方法をわかりやすくお伝えします。
幸せホルモンとは?
「幸せホルモン」は、脳や体の中で「心地よさ」や「安心感」「やる気」を引き起こす働きをするホルモンや神経伝達物質のことです。
代表的なのはこの4つ:
ホルモン名 | 役割 | キーワード |
---|---|---|
セロトニン | 気分を安定させる、ストレスに強くする | 落ち着き・安心 |
ドーパミン | やる気、達成感、集中力を高める | 喜び・モチベーション |
オキシトシン | 人とのつながり、信頼感を深める | 愛情・つながり |
エンドルフィン | 快感、ストレスや痛みの緩和 | 多幸感・リラックス |
これらのホルモンは日々の生活の中で自然に分泌されていて、バランスが整っていると「なんとなく幸せ」と感じやすくなります。
幸せホルモンを増やすためにできること
では、どんな生活をすれば幸せホルモンを増やすことができるのでしょうか?
特別なことは必要ありません。大切なのは、毎日のちょっとした習慣です。
● 朝日を浴びる(セロトニン)
朝起きたら、まずはカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。
朝日には脳を目覚めさせ、セロトニンの分泌を促す効果があります。
- 出勤・登校の前に15〜30分、外を歩いてみる
- 朝のバスや駅まで歩く時間を活用するのも◎
● 軽い運動をする(セロトニン・エンドルフィン)
ウォーキング、ストレッチ、ジョギングなどのリズムのある運動は、心を安定させるセロトニンと、気分を高めるエンドルフィンの両方に効果があります。
- 通勤・通学時に一駅分歩いてみる
- 昼休みに近所を散歩するのもおすすめ
● 食事にたんぱく質を取り入れる(セロトニン・ドーパミン)
幸せホルモンは、食事から摂るアミノ酸(トリプトファン・チロシン)を材料にして作られます。
- バナナ、卵、豆腐、チーズ、ナッツ類などを毎日の食事に
- 炭水化物(ご飯やパン)と一緒にとると吸収されやすくなります
● 人と関わる・笑う(オキシトシン)
人とのふれあいは、オキシトシンの分泌を促します。会話、笑顔、スキンシップなど、ちょっとした交流でもOKです。
- 家族や友人と笑い合う
- 同僚との雑談、オンラインでもOK!
- ペットと触れ合うのも効果あり
● 達成感を得る(ドーパミン)
「できた!」という経験が、ドーパミンを活性化します。小さな成功を積み重ねることで、やる気もアップ。
- 学校なら…宿題や課題を時間通りに終える、定期テストの目標を立てる
- 社会人なら…仕事のToDoリストをこなす、プレゼンや報告書をやりきる
● よく眠る(すべてのホルモンに◎)
睡眠はホルモンのバランスに直結します。
7〜8時間の質の良い睡眠が、次の日の心の元気をつくります。
- 寝る前はスマホをオフにして、深呼吸や読書でリラックス
- 決まった時間に寝て、朝日を浴びて起きるのが理想
「幸せ習慣」1日のスケジュール例
「幸せホルモン」を意識して毎日を過ごすと、気分が安定しやすくなり、前向きな気持ちが育ちます。
以下は、忙しい社会人や学生さんにも実践しやすい1日の過ごし方の例です。
時間帯 | 習慣 |
---|---|
朝 | 朝日を浴びる/朝食にたんぱく質をとる |
午前 | 通勤・通学で軽い運動/笑顔で挨拶 |
昼 | 同僚・同級生とランチで会話/10分の散歩 |
夕方 | 達成感のある行動(仕事・勉強の一区切り) |
夜 | 好きな音楽を聴く/感謝日記に書く/早めに寝る |
幸せは、自分で「つくる」ことができる
「幸せになりたい」と思ったとき、人間関係や生活環境など、自分の外側の変化を求めたくなります。
でも実は、幸せは自分の脳と体の中で“育てていく”ことができるのです。
太陽を浴びて、運動して、人と笑い合って、小さなことを積み重ねる――
そんな毎日の中に、あなたの幸せホルモンは自然と増えていきます。
まずは、今日ひとつだけでもやってみることから始めてみませんか?
主な参考文献
- Boecker, H., et al. (2008). The runner’s high: Opioidergic mechanisms in the human brain. Cerebral Cortex, 18(11), 2523–2531.
- Carter, C. S. (2014). Oxytocin pathways and the evolution of human behavior. Annual Review of Psychology, 65, 17–39.
- Heller, A. S., & Casey, B. J. (2016). The neurodynamics of emotion: Delineating typical and atypical emotional processes during adolescence. Developmental Science, 19(1), 3–18.
- Wang, D., et al. (2021). Daylight exposure modulates circadian rhythms and increases serotonin levels in humans. Chronobiology International, 38(4), 566–574.
- Wheatley, T., & Haidt, J. (2005). The positive emotion of elevation. Emotion, 5(3), 221–230.