パーマカルチャーって知ってる？　持続可能で平和な暮らしのつくりかた

「地球にやさしくて、みんなが安心して暮らせる未来って、どうやってつくるの？」

そんなふうに思ったことはありませんか？
環境問題や戦争、貧困、気候変動など、いま世界はたくさんの課題をかかえています。でも、それを解決するヒントが、意外と身近なところにあるのかもしれません。

そのキーワードが「パーマカルチャー」。

今回は、高校生のみなさんにもわかりやすく、「パーマカルチャーって何？」「どうやって持続可能で平和な暮らしができるの？」ということを紹介していきます。

パーマカルチャーってなに？

パーマカルチャー（Permaculture）は、「パーマネント（永続的な）」＋「アグリカルチャー（農業）」または「カルチャー（文化）」を組み合わせた言葉です。

もともとは1970年代にオーストラリアのビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンという2人の研究者が、「人と自然がどちらも豊かになれる農業のあり方」を考えて生まれた考え方です。でも今では、農業にとどまらず、家の建て方、エネルギーの使い方、水の使い方、地域のつながりなど、私たちの暮らし全体をデザインする方法として広がっています。

つまり、パーマカルチャー＝地球にやさしく、みんなが幸せに暮らしていくための暮らしのデザインなんです。

3つの基本の考え方（パーマカルチャーの倫理）

パーマカルチャーには、すごく大事な「3つの倫理（考え方）」があります。

1. 地球を大切にしよう（Earth Care）
   　自然や生き物、土や水を守ること。自然が元気でないと、私たちの暮らしも成り立ちません。
2. 人を大切にしよう（People Care）
   　自分も、まわりの人も大切にして、誰もが安心して暮らせるようにすること。
3. 余ったものを分け合おう（Fair Share）
   　食べ物やお金、時間など、必要以上にためこまず、みんなでシェアすること。

この3つを土台に、パーマカルチャーはさまざまな工夫を重ねています。

パーマカルチャーの実践例って？

では、実際にどんなことをするのでしょうか？具体的な例を見てみましょう。

● 食べものを自分たちで育てる

スーパーに頼らず、畑で野菜を育てたり、庭に果物の木を植えたりします。
そのときも、化学肥料や農薬を使わず、自然の力を生かします。
たとえば、落ち葉を土に混ぜて肥料にしたり、鶏を飼って草を食べてもらったり。
こうすることで、土が豊かになり、虫や鳥などの生き物も集まってきます。

● 雨水をためて使う

屋根に降った雨をタンクに集めて、庭にまいたり、トイレに使ったりすることもできます。
水道に頼らず、自然からもらった水を大切に使う。これも立派なパーマカルチャーの工夫です。

● ゴミを資源にする

生ごみを「コンポスト」と呼ばれる容器で発酵させて、肥料に変えることもできます。
また、いらなくなったものでも、修理したり、別の使い方をしたりすることで、ゴミを減らせます。

● エコな家をつくる

風通しのよい家、太陽の光を上手に取り入れた家、断熱性の高い土壁の家など、エネルギーをできるだけ使わない家づくりも大切です。
太陽光パネルや薪ストーブなど、自然エネルギーを活用する工夫も取り入れられています。

● みんなで助け合う地域づくり

食べ物を分け合ったり、道具を貸し借りしたり、困ったときに手伝い合ったり。
そんなあたたかい人と人のつながりを大事にしているのも、パーマカルチャーの特徴です。
一人で頑張るのではなく、みんなで支え合って暮らす。それが平和な暮らしの第一歩です。

どうして「持続可能」で「平和」なの？

パーマカルチャーが「持続可能」と言われるのは、自然の力をうまく使って、地球に負担をかけないからです。
自然と共にある暮らし方は、環境を壊すどころか、土や水をよみがえらせる力も持っています。

また、「平和な暮らし」につながるのは、人と人とのつながりを大事にすることにあります。
必要なものを奪い合うのではなく、助け合い、分け合うことで、争いを生みにくくする社会をつくっていく。
さらに、地域の中で食べ物やエネルギーをまかなうことができれば、遠くの戦争や経済不安に左右されにくくなるのです。

パーマカルチャーは誰にでもできる

「なんだかすごい話だけど、自分には関係なさそう…」って思いましたか？

でも、実はパーマカルチャーは小さなことから始められるんです。

・家で使わない物をリメイクする
・ベランダでプランターに野菜を育ててみる
・雨の日にバケツで雨水をためて花にあげてみる
・近所の人と道具をシェアしてみる

こうしたことも、立派な一歩です。

最後に

パーマカルチャーは、単なる農業やDIYのテクニックではありません。
それは、「どうしたら地球と人間が仲良く暮らしていけるか？」を真剣に考えた、新しい暮らし方のデザインです。

これからの時代を生きるみなさんにとっても、きっと大切なヒントになるはずです。
興味をもったら、ぜひパーマカルチャーのことをもっと調べて、いろんな事例をのぞいてみてください。

あなたも、持続可能で平和な未来のつくり手になってみませんか？

ずっとピースらぼ｜Eternal Peace Lab

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ずっとピースらぼ管理人のわんぞーです。イギリスで平和学を学び、その後国際協力の現場や大学で仕事をしてきました。ずっとピースらぼでは、「優しい」と「易しい」の両方の意味をこめて、「やさしい平和教育」を発信しています。中学生や高校生にもわかりやすい内容を届けることで、いつの日か争いのない社会にできたらいいな、と思っています。 ｜Eternal Peace Lab shares information about easy-to-understand peace education. By delivering content that students can easily grasp, we hope to one day achieve world peace.